山崎蒸溜所の有料ツアーに参加しました。常時2,3ヶ月先まで予約が埋まっている程の人気なのですが、たまたまサイトで予約状況を見てみたら数日後に空きが出ていました。キャンセルがあったんでしょう、お陰で運良く予約が入れられました。
前回来たのは10年以上前。まだ、ツアーも無料で予約も不要、飛び込みでも全然参加できたのですが、時代が変わったものです。
JR山崎駅から懐かしの小道を行く途中、追い越した二組はいづれも東南アジア系の外国人。昔となんだか雰囲気が違います。
ツアー予約の一時間前に到着。受付に行って予約時刻を伝えると、「○○様。ようこそいらっしゃいました」あれ?なぜ名乗っていないのに名前を? 聞いてみると、ツアー参加者に日本人が2名しかおらず、一人は既に入場済みだから分かったそうです。なんと25名中23名が外国人というツアーに当たったわけです。
国産第一号ウイスキー サントリー白札。
集合時間までウイスキー博物館を見学しましたが、自分以外は外国人しかいません。
とりあえす、お決まりのこの場所を撮影しようと思いましたが、代わる代わる外国人がポーズをとって撮影しているので、これ一枚撮るのも結構大変でした。
何が並んでいるのか良くみてみると山崎の原酒はもちろん、サントリーの扱うスコッチやバーボンも並んでいます。更にはリンクウッド、ストラスアイラなどもありますね。
ショップも見に行きましたが、山崎はNAと蒸溜所限定シングルモルトのみで年数表示の物は一切販売無し。まぁ、分かってはいましたが、仕方が無いですね。
さて、ツアーの集合時間。見渡すと中国語の通訳を伴った団体が半数を占め、残りは少人数の外国人グループで人種はまちまち。そして日本人は私を含めて2名。
後で聞いてみたら、今日はいつもに増して外国人が多いそうで、実際は年間でみると来場者の外国人比率は1割ぐらいらしいです。
まずは糖化槽と発酵槽。
木で作られた発酵槽は、高さは3~4m。見学できるのは木桶のみですが、山崎には他にステンレスの発酵槽も有ります。
蒸溜釜。初溜釜6基、再溜釜6基が見学できます。
蒸溜釜の形は真ん中が膨らんでいるバルジ型(写真手前)、ストレート型(手前から2番目)があり、味わいが異なったニューポットができあがります。グレンフィディックなんかも複数の形を揃えていますが、一つの蒸溜所でこのように複数の釜を使い分けている所は少ないです。また、加熱方法はスチームから置き換えが進んだ結果、現在は真ん中の3号基を除いてガス直火です。この他に見学はできない別の場所に初溜、再溜それぞれ2基が2013年に追加されていますので、山崎蒸溜所には合計8対16基が稼働していることになります。白州も同じ8対16基です。ちなみにニッカは余市が初溜4基、再溜2基、宮城峡が初溜4基、再溜4基。蒸溜釜の数だけでいうとニッカの倍以上ですね。スコットランド最大のグレンフィディックは、小型とはいえ初溜13基、再溜15基と流石に多いです。
山崎のツアーで見学できる貯蔵庫は、床がコンクリート、高さは三段まで積んだダンネージ式で、およそ2000樽。そして、見学した上のフロアーも貯蔵庫らしく、同程度の樽が有るそうです。他に貯蔵庫を聞いてみると、新幹線からも見える大きな建物、あの中に樽がたくさん詰まっているそうで、おそらく内部はラック式になっていると思われます。山崎全体で一万~数万樽?これは蒸溜所の方に聞きましたが、企業秘密らしくはっきりとは答えてもらえませんでしたが、サントリー全体では白州、近江をあわせて100万樽だそうです。ネット調べですが、かつては八ヶ岳にもエイジングセラーがあったらしく、全体では160万樽といわれていたこともあったようです。
奥に見える鏡板が黒いのは知多のグレーン。響のブレンドなどに使われるそうです。
山崎はボトリングもしていますが、見学はできません。山崎でボトリングされるのは、山崎、響などの高級酒のみだそうです。
さて、ツアーの最後は試飲です。
構成原酒12年が2種類と、山崎NAが2杯(1杯はハイボール用で、山崎の炭酸水が頂けます)。
・ホワイト オーク樽 12年とは思えないほど薄い色。鼻をつく酸味、洋梨、蜜、 トースト 味わいビスケット キュッとしたボディ。
・ワイン樽 香りストロベリーチョコ。赤ワイン ポリフェノールを感じ、柔らかく広がる。
続いて山崎NAを頂くとやはり、ブレンダーはすごいと思いますね。華やかな香り、ワイン樽のストロベリーチョコがあり、味わい甘く蜜っぽさが広がります。そしてウッディで、スパイスのある余韻に繋がります。
ツアーが終了した後は、もうひとつの目的であった有料試飲。構成原酒3種と山崎18年、25年を頂きました。有料ツアーの試飲にあったホワイトオークとワイン樽はメニューに有りません。
・パンチョン樽 スッと甘いフルーツ、キリッと辛口、じんわり甘い余韻。
・シェリー樽 焦げたレーズン、プルーン、酸味渋みのある甘味が広がる。
・ミズナラ樽 香り控えめ、糖、お香、じんわり上質に広がる甘さ後半力強く盛り上がる。
・山崎18年 甘いショートケーキ、黒糖、華やかさ舌の横から裏にかけてじっくり。
・山崎25年 アルコールの刺激が無い。チーズケーキ、古い樽、枕木、キャラメルで作ったフレンチトースト。濃さ、重さ、甘いバニラを伴う長い余韻。
満足です!特に25年の持つ固形になりかけているかの様な独特なコクは、かつて体験したことのないものです。
さて、帰宅前に気になっていた場所へ。
蒸溜所の裏手にある椎尾(しいお)神社です。サントリーの樽がお供えされていました。
ちょろちょろと水が流れているので、気になって境内の裏山をさらに登っていきましたが意外と険しく、クマ注意の看板も。どこまでも続く山道に10分ぐらい進んだところであきらめました。
これからも美味しいお酒が飲めるよう健康を祈願して帰路につきました。
、、が、山崎駅に着いてから気づきました。ショップに寄るのを忘れてる、、。
蒸溜所限定シングルモルトを買おうと思っていましたが、まぁいいか。
帰って自宅にある山崎12年を飲むことにします。