カテゴリ:ウイスキー > ニッカ

DO5sr0zU8AA1eH8
ブラックニッカ アロマティック
ニッカウヰスキー
モルト・グレーン
アルコール度数 40%
評価 ☆7

スーッと爽やかに立ち上るフルーツの香り、アプリコット、クリーム、暖炉など。
滑らかでソフトな飲み心地、味わいはリンゴチョコ、ザラメなど甘く優しい。
甘さを帯びた、ややビターな余韻。
アロマティックのネームがまさに本ボトルの特徴そのままに表しています。
宮城峡モルトの華やかな香りに、宮城峡のカフェ式連続蒸溜機によるカフェモルト、カフェグレーンによるのコクと甘さのバックアップ。宮城峡の特徴が見事にブレンドされた本ボトルは、限定ブラックニッカの第3弾となりますが、今回も期待を裏切らない素晴らしい出来です。

続いて1:3の濃いめハイボール。
円やかで甘いフルーツジュースみたいになります。
終始甘さがあって、余韻にかけてはウッディさが残ります。
アロマティックはハイボールにしてもいけますね。
DO532tTUIAAcjhc
ブラックニッカ アロマティックの出荷本数は144,000本です。
ブレンダーズスピリットはもちろん、クロスオーバーも既に量販店では目にする機会が無くなりました。アロマティックも手に入るうちに購入されるのが吉だと思います。
過去の限定ボトルの出荷本数は以下のようになっています。
2016/11販売 ブレンダーズスピリット 144,000本
2017/ 3再販 ブレンダーズスピリット 120,000本
2017/ 5発売 クロスオーバー 132,000本
ブレンダーズスピリットは、2016と2017で飲み比べると微妙に味わいが異なるとの情報もありますし、原酒の関係から更なる再販は厳しいかもしれませんが、このアロマティックについては人気があれば再販は十分可能な気はします。

ちなみに過去のクロスオーバーの記事で次の限定ボトルを予想していたのですが、赤色の瓶で華やかさを狙い宮城峡?と予想していましたが、なんとドンピシャで当たってしまいました。じゃあ、次は?となるわけですが、、難しい。まさかの白瓶でニューポットなんかは無いですよね。とりあえず、赤瓶のアロマティック再販でしょうか。
過去の記事:ブラックニッカ クロスオーバー

DO1roVTVQAADbxK
北海道余市郡
ニッカウヰスキー
シングルモルト余市 モスカテルウッドフィニッシュ
モルト
アルコール度数 46%
評価 ☆6+

香り甘くハチミツ、モルトの穀物系、多少酸味の有る柑橘も少し。
味わいは香りの続きで甘さがありますが、余市のピートもやってくる。
余市らしい骨太なボディーですが、結構思ったよりレーズンのような甘味が強く、なんとなく自分が余市に求めるものと違う気がします。

DJh6JWkUEAE_4zX
北海道余市蒸溜所
ニッカウヰスキー
モルト(新樽)(二号貯蔵庫)
アルコール度数 58%
十年浪漫倶楽部 2007-2017
☆9

グラスに注ぐと赤みがかった琥珀色をしています。
幾重にも重なる濃厚で甘い香りが漂い、熟した南国フルーツ、バナナクリーム、オレンジピール、チョコレート、バニラ、、まさに期待していた香りが溢れます。

入りスムースで、味わいは余市の新樽らしく、力強さと甘いバニラがあり、芳ばしく、ナッツのような味わいが底支えしています。後半はピートを感じるビターな余韻が現れ、口腔内に長く漂います。
DJh8ty1UIAElsh0
一応は同じ北海道と言うことで、チェイサーは夏に北海道旅行に行ったときにホテルでもらってきた道産のナチュラルミネラルウォーター。取水地は北海道の大雪山ふもとにあり、余市からはかなり離れています。硬度を見てみると59mg/L、余市は20mg/Lと言われていますので、単純に硬度だけみると南アルプスの天然水の30mg/Lの方が近いですね。

10年前、娘の誕生記念に妻からプレゼントされた十年浪漫倶楽部。
このボトルが届くまでの間に、余市まではこのプレートを下げた樽を3回ぐらい見に行っています。
ぼかしを入れていますが、ここに名前が刻まれている方々がこの樽のオーナーです。
CxJRL8SUAAAr9Ne
海外での日本ウイスキー人気の高まりや、NHKのマッサンによる影響が出る前はこのように二号貯蔵庫もほとんどの樽が二段で並んでいました。
CAjJtHiVIAA9CL1
現在の二号貯蔵庫内はすべて一段で、かなりスペースが生まれています。
CtK0mf0UsAAQXST
十年浪漫倶楽部の10年を待つ楽しみ、あっという間に過ぎてしまいました。
ウイスキーも期待を裏切らないすばらしいものでしたが、娘の成長とともに10年待つという楽しい時間を過ごさせて貰ったことにも感謝です。



144232810213140217180_DSC02987
ニッカウヰスキー 十年浪漫倶楽部 余市とは、複数人で樽のオーナーになる企画です。
5年後に1本、10年後に2本、余市蒸溜所からウイスキーが届きます。
非常に気の長い?というか、夢のある企画なんです。
そして、その長い10年間の間には、毎年絵はがきで熟成具合を送ってきてくれます。

スターターキットの中身はこんな感じ。
144232875173410856180_DSC02986
時代を感じるVHSのビデオテープと、未貯蔵原酒、フォトスタンドが入っています。
毎年送られてくる絵はがきも詰め込んであり、ちょっとした宝箱です。
ちなみにVHSのビデオは、デッキがないので一度も見れていません。

あっという間の5年経過。。
C5XKcujUMAAeI8G
ついに5年貯蔵のシングルカスクが送られてきました。
新樽特有のウッディさとバニラとの記載。

マイウイスキーもそうですが、マイ樽が貯蔵庫に眠っている間は、自分の樽を見に行くことが出来ます。(余市蒸溜所には事前連絡が必要です。)
CEHQ2niVIAA42EC
これは2015年のゴールデンウィークの写真。
二号貯蔵庫に眠る十年浪漫クラブの樽に案内してもらいました。写真手前が二号貯蔵庫。立入禁止区域なので観光客は写っていません。ニッカの担当の方々、ゴールデンウィークの忙しい中案内いただき、ありがとうございました。
CEHVg4dUgAAtXCg
貯蔵庫の鍵を開けてもらい、重たい扉が開かれると、中はこんな感じです。数年前に訪れたときは二段に積んであったのですが、今回は平積み。かなり樽が少ない印象です。まさに原酒不足。
十年浪漫倶楽部は壁際に並んでいます。樽は樽詰めされた年毎に並んでいるので、ニッカの案内のお姉さんと一緒に探すこと3分。すぐに自分のネームプレートのついた樽に再会できました。 
CEHYfInVEAA-IAV
そして、さらに数年経過し、2017年。
DJINw32UwAAA9nV
ついに10年が経過。まだ5年も開栓していません。
これで0年、5年、10年がそろい、その変化を見られます。
C5XBK4QUkAAZa3Q
十年浪漫倶楽部、残念ながら今はもう終了してしまっていて、新たに入会できないのは残念ですね。

私のレビュー記事はこちら
余市 シングルカスク 10年 樽番号408015(十年浪漫倶楽部)

余市マイウイスキーづくり 2003年5月 2日目

2日目は樽づくりと、ニューポットの樽詰めです。

■マイウイスキーづくり 1日目の記事はこちら
余市マイウイスキーづくり 1日目

まず、チャー(樽の内側を焼く)作業を見せてもらいました。
144327555007811117177_112-1262_IMG
凄い迫力!
しかも美しい!!

続いて、樽づくり体験。
144327590033526457177_112-1266_IMG
漏れ防止のために、板と板の間にガマの葉を挟んでいく作業をやらせてもらえます。
樽の上に写っているのが、ガマの葉。
写真の樽は私たちの物ではないのですが、色々な絵が描いてありますね。
あれ?この絵はどこかで見覚えが??

樽作りが終わると、参加したメンバー皆さんで樽にマジックで名前を書き入れます。
書き終わったら、いよいよニューポットの樽詰め作業です。
結構勢いよく、ドバドバ入れていきます。
144327672341692265177_112-1271_IMG
樽は250リットルのリメード樽。
一般の家庭の風呂が、150~200リットルぐらいなので、小さく見えるこの樽でも結構入りますね。
ただ、10年後には2~3割ほど減ってしまいます。計算すると200リットル弱。
・・・50リットル減る。年5リットル。
天使って、結構な量を飲んでくれるんですね。

樽詰めが終わったら、一般の見学者に注目されながら、貯蔵庫まで樽を転がしていきます。
144327852577527357177_112-1273_IMG
無事貯蔵庫に到着。
これから10年の長い眠りにつきます。
144328078549897581177_112-1274_IMG
これで二日間のウイスキーづくりは終了です。あっという間の時間でした。
最後に、樽詰め前の未貯蔵原酒がもらえました。
144327738273563822177_DSC03270
樽との別れを惜しみつつ、蒸溜所を後にする前に散策をしました。
144328153458656951177_112-1278_IMG
敷地内の池には白鳥がいましたよ。
(2016年の上級コース参加時に白鳥について聞いてみたところ、「もう今はいませんが、結構凶暴な鳥だった」とのことです。)
144328146781569149177_112-1275_IMG
ライラックもきれいに咲いています。

それから10年・・・
子供がふたり生まれたり転職をしたり、色々なことがありました。
その間もマイウイスキーは、暑い夏の日も、雪深い冬の日も、ずっと余市の貯蔵庫で、眠っていたわけです。
そして、10年の時を経て、あのときの無色のウイスキーは琥珀色に変わり、私の手元に戻ってきました。

■余市 シングルカスク 10年 No.405450
画像
ニッカのテイスティングノートより。

香り:
樽のスイートな熟成感と
りんご、バナナのような華やかなエステル香。
ややオイリーな重厚さが全体を引き締める。

味わい:
やわらかでなめらかな口当たり。
バニラの甘さとクリーミーさが調和。
ややビターな樽の余韻が続く。

すでに一本空け、残り4本となりました。
私のテイスティングノートはこちら。
余市 シングルカスク 10年 樽番号405450 

さらに、2016年にはマイウイスキーづくり上級コースに参加しましたので、よろしければそちらの記事もご覧ください。
余市マイウイスキーづくり 上級コース 1日目 


144319351248465672180_112-1220_IMG
余市マイウイスキーづくり 2003年5月 1日目

昨年のシングルカスクとの衝撃的な出会いから半年後・・・
■過去記事
余市 シングルカスク 10年 樽番号??????(2002年余市蒸溜所)
半年たっても、未だに余韻が抜けきらない状態で、再びやって参りました!
ニッカウヰスキー余市蒸溜所。
(写真はすべて2003年当時)
144319384778139071180_112-1224_IMG
訪れたのは5月、海道の朝晩は冷えます。リタハウス前には、すずらんがきれいに咲いています。
144319548735157803180_112-1226_IMG
集合時間より早く着いたので、蒸溜所をぶらぶら散策しました。
144319417966694342180_112-1268_IMG
集合時間になり、まずは参加者の顔合わせとオリエンテーション。そして一通りのウイスキー作りの説明を受けたら、ニッカのつなぎに着替えていざ出陣!
144319580657779542180_112-1233_IMG
まずはキルン塔にて、ピートを炊きます。
144319452016919993180_112-1230_IMG
壁際に積まれたピート。ピートは道産で、ニッカが所有する石狩平野の土地から掘り起こしたものだそうです。
144319525353431070180_112-1229_IMG
ピートを焚いている様子。キルン棟の中はかなり強いピートの香りがします。
144319599086092491180_112-1231_IMG
フロアモルティング。手で触れてみると温かい。
今回マイウイスキーで体験をさせて頂いたのですが、これは観光及びマイウイスキーのためで、実際はモルトスター(製麦専門会社)から麦芽は買い付けているそうです。
144323511428672038177_112-1237_IMG
蒸溜棟にて、蒸溜釜に石炭投入!
144323515764055285177_112-1239_IMG
次は、糖化釜に入って掃除体験。
気づいてみたら外も薄暗くなってきました。
本日の製造工程の体験はここまで。

さてさて次は、今日一緒に参加したメンバーのみなさんと、さらには工場長も加わってお楽しみの宴会!着替えをして、蒸溜所内のニッカ会館にあるレストランに移動です。

北海道の素材を使った素晴らしい食事に、もちろんニッカのウイスキーも登場しました。
144323565278596529177_112-1247_IMG
ニッカウヰスキー 余市産ワイン ミュラー・トゥルガウ
余市周辺のぶどうのみを使ったワインです。
が、2002年、この年にニッカはワインから撤退しているんです・・・。
ニッカの余市産ワインを飲めるのは、最後の機会でした。
144323560096701004177_112-1245_IMG
そして、シングルカスク 余市 10年。
なんと、飲み放題!!!
60度近い原酒を浴びるほど飲ませてもらいました。

で、2時間後・・・べろんべろんの酔っ払い、完成。
欲張って飲み過ぎたせいで、当然の結果に。
早くホテルかえって寝たいと後悔の念に駆られていたのですが、その時工場長から粋な計らいが!!
「夜の竹鶴邸に、特別ご案内しましょう」

え?今から?
こんな酔っ払い連れてっていいのか?
(旧竹鶴邸は、前年の2002年12月に余市郊外から移築されたばかりです)
へろへろの足取りで、お邪魔させていただきました。竹鶴邸。普段は入れない部屋まで。
くれぐれも、粗相のないように。
144323569999369938177_112-1251_IMG
あまりよく覚えていませんが、写真を見るとリタ婦人のピアノがありますね。
そして竹鶴邸を後にする頃には、外は真っ暗。
144323572781307954177_112-1259_IMG
蒸溜所を抜ける風は冷たく、余市蒸溜所にはすっかり夜の帳がおりていました。
この後、どのようにホテルにたどり着いたは、いまだに不明です。

二日目、起きれるか??

余市マイウイスキーづくり 2日目




144279135693619672178_108-0818_IMG
さかのぼること15年前になります。
初めて余市蒸溜所を訪れたのは2002年11月。
時刻は午後3時。雨が上がりで、天候は曇り。

当時はワインばかり飲んでいて、特にウイスキーに興味があった訳では無いのですが、初めて訪れた北海道でたまたま立ち寄った場所が余市蒸溜所でした。
144279260705622376178_108-0820_IMG
当時は立ち入り禁止エリアが今ほど沢山ありませんでしたので、一般の観光客でも敷地内をどんどん奥まで入っていくことが出来ました。これは製樽棟。樽が山積みされています。
144279273834329486178_108-0821_IMG
この雲といい蒸溜所内の建物といい、日本の景色ではないようで、異世界に迷い込んだようです。
天候のせいもあるかもしれませんが、人の気配もありません。
144279364947328438178_108-0824_IMG
明かりの見えるリタハウス(旧研究室)。
喫茶になっていて、ここで休憩をしました。
144279367155446346178_108-0825_IMG_2
今はもう営業はしていませんが、当時は中に入るとこんな感じでした。ここはエントランスで奥の緑の扉を開けると喫茶室になっています。
アフタヌーンティをいただいた後は、さらに散策。
144279339917686864178_108-0826_IMG_20150921085639
奥に見えるのは三号貯蔵庫なのですが、今見ると何か違和感。昨年(2016年)訪れたときの写真と比べてみましょう。
DSC06688 (1)
気づきますか?木が成長して高くなっているのはもちろんですが、左側の貯蔵庫がありません。
このことは別の記事「航空写真でみる余市蒸溜所」で取り上げています。

蒸溜所の帰りがけに無料か有料かは記憶にないのですが、初めて余市のウイスキーを試飲しました。
頂いたのはショットグラスに一杯のシングルカスク10年。

・・えっ?!

未体験の世界です。
この一杯には衝撃が走りました。
口腔から鼻に抜ける樽香は、永遠に続くのではないかと思うほど長く、蒸溜所を後にするまで余韻が続きました。前述の通りとおり当時はワインにハマっていて、ほとんどウイスキーは飲んだことがありませんでした。こういう酒があるんだと感動したことを、15年たった今でもはっきりと覚えています。

この前年の2001年、シングルカスク余市10年がウィスキーマガジンの「ベスト・オブ・ザ・ベスト」に輝いていますが、もちろんそんなことも知りません。
144279286062561357178_108-0819_IMG
そして、シングルカスクの余韻がいまだ残る中、
再訪を誓いながら蒸溜所を後にするのでした。
今では考えられませんが、正門付近でも人がいないですね。

・・・翌年、
マイウイスキー作りに参加したのでした。

144279339917686864178_108-0826_IMG_20150921085639
過去に余市蒸溜所を訪れた時の写真を見ていたら、今は無い建物があることに気づきました。
これは2002年に三号貯蔵庫を撮影した写真なのですが、今は左手の建物がありません。

手っ取り早い確認方法としては航空写真かなと思い、少し調べてみました。
以下の航空写真はすべて国土地理院から。
出典:国土地理院ウェブサイト 
yoichi2015_
2015年
分かりやすいように航空写真に文字を追加しました。旧竹鶴邸の裏道を三号貯蔵庫に向かって見ると(赤色の矢印)左手に建物が見当たりません(赤丸)。
yocihi2008_2
2008年
A・・・2008年にはもう存在していないようですね。
ただ、もう一つ別の違いに気づきました。
B・・・Bの場所にも貯蔵庫が見えます、これも今は存在していないため、2008年以降に取り壊されたようです。
C・・・この年、Cの位置の2棟がウイスキー博物館に改装されました。
2017年現在、貯蔵庫は26棟ですが最大30棟が使われていたということでしょうか。
yocihi2000_
2000年
今回存在が気になった旧竹鶴邸裏の建物、白黒で分かりづらいですが2000年にはありますね。2000年から2008年の間に取り壊されたようです。
yocihi1976_3
1976年
2000年の航空写真が白黒しか無く、見にくかったので1976年のカラー写真。
蒸溜棟から石炭の煙が見えます。
ただ、こうなると間違い探しのように、他にも違いを探してしまいます。
A・・・カラーで見ると、貯蔵庫らしき建物がしっかり見えます。
B・・・2000年の白黒写真では分かり難かったですが、旧竹鶴邸がありません。2002年12月に余市町近くから蒸溜所内に移築しています。
C・・・2000年の写真にある貯蔵庫がまだありません。70年代のウイスキーブームで増築されたのでしょう。
D・・・ニッカ会館、ショップのノースランドはありません。
E・・・2000年の写真にある建物(貯蔵庫?)及び、このEの位置の北側の大きな建物がまだありません。
F・・・製樽棟が増築前。

更に過去の航空写真が見てみたくなってきます。
yoichi1965
1965年
貯蔵庫の周りに堀のように池がありますね。
yoichi1948
1948年
ニッカウヰスキーになる前の、大日本果汁の時代。
貯蔵庫は一号、二号棟しか見当たりません。
池のように見えたのは余市川の中州。埋め立てて貯蔵庫が建造されていったことがよく分かります。

さて余市蒸溜所を航空写真で見てみたわけですが、1965年から76年の写真を見ると、ウイスキーブームにのって10年ほどの間に、貯蔵庫の建設ラッシュがあったことが分かりました。
しかし、国内のウイスキー消費は1970年台をピークとしてずっと右肩下がりで、2008年にはピーク時の1/3の出荷という過去最低を記録しています。推測になりますが、2008年頃にはニッカもかなり生産を抑えていたため、使っていない貯蔵庫がいくつもあったのでしょう。2008年にニッカ会館に近い貯蔵庫は博物館に改装され、今回気になった建物を含む2棟も取り壊されています。ただ数ある貯蔵庫の中でなぜこの2棟を取り壊したのか分かりませんでした。
非常に気になるのですが、もしご存知の方がいらしたら教えてください。

C_Hub1MVoAAJ63e
蒸溜所限定のNA(ノンエイジ)を3種を改めて飲み比べてみました。
<過去記事>
 (P&S)
 (W&V)
 (S&S)

それぞれのレビュー詳細は過去記事を参照いただきたいのですが、
改めて3種を飲み比べ、それぞれの特徴を再確認できました。

まず結論ですが、今回のNAの中で私がお勧めするとしたらW&Vになります。
余市の新樽の特長や、余韻にかけての余市らしい潮気も良く出ていて、ひときわ輝きを放っています。

個人的な好みで言うと、NAにおいてはW&V>P&S>S&Sです。
12年貯蔵の余市蒸溜所限定だと、私の好みはP&S>W&V>S&Sの順ででした。

貯蔵期間が短いNAの場合、余市で蒸溜される力強いニューポットは、渋みなどの癖が出やすい新樽にも負けずに、良い効果を発揮するのかもしれません。
12年貯蔵ではP&Sが良かったのですが、P&Sは貯蔵期間が増すほど刺々しさが減り、力強いピート、オイリーさや潮気をゆったり味わえます。
S&Sは年数に寄らず、余市サルファリが少し気になります。

せっかくなので、通常の余市NAも飲み比べてみました。
C_HyUu6VYAEkmaE
余市NAは度数45%と、蒸溜所限定に比べて10%低いです。ただ色合いについてはベビーボトルなことも有るかもしれませんが、圧倒的に薄く見えます。
余市NAは開栓後時間が経って角が取れたこともあるかもしれませんが、開栓時より刺々しさが減り結構良いですね。個性的な蒸留所限定の3種と飲み比べてみると、うまく3種類の良いところが取られ、P&Sをメインに余市らしい力強さが表現されていると思います。
実際のバッティングの比率は分かりませんが通常のNAはPS>SS>WVなイメージです。

さらに、蒸溜所限定NA3種と貯蔵期間が近いと思われる余市2000'sも。
C_H30LNUAAACzoD
P&Sはもちろんですが、W&V比率が余市NAより大分と高いですね。特に後半は新樽が強く出てます。
2000'sは開栓直後はS&S由来と思われる硫黄っぽさが出てた気がしますが、久しぶりに飲んでみるとそれほど気になりません。2000'sは暫く置いたほうが落ち着いて良い方向になります。

飲み比べてみると、それぞれの特徴が再確認できてなかなか楽しい時間が過ごせました。

DCxLms5UwAAD10v
ニッカウヰスキー
モルト
アルコール度数 43%
☆8

華やかに香ります。水仙、黒蜜、バニラなど。
心地よい甘さが口腔に漂い、しばらく甘い樽の芳香が続きます。
飲むほどに心落ち着き、ゆったりした時間が過ごせます。
DDB4LAiVYAEoVJW
竹鶴NAもハイボールに合うのですが、もちろん17年も最高に美味いハイボールが出来上がります。
ほのかに樽香、爽やかな酸味があっておすすめです。
144263817008768073179_DSC02895
ロックでの香りの出かたは樹の蜜、少しメープルシロップ、ピートがハッキリ。
氷が溶けて薄まってくると、 甘酸っぱさが強調されます。

すっかり店頭で見かけることがなくなった竹鶴17年。
現在は出荷調整がされていて、なかなか手に入り辛い状況です。残念ながら一部の酒量販店ではプレミア価格となっていますが、本来は7000円が希望小売価格です。

↑このページのトップヘ